楽器フェア2014にふぇのたす観に行ったらYMO&メロトロンの衝撃
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東京ビッグサイトで開催された楽器フェア2014の2日目に行ってきました。楽器なんかこれっぽっちも弾かないんですけどね。目当てはローランドブースで行われたふえのたすのライブ。楽器フェアは11月20日(金)から22(日)の3日間開催で、そのうち金・土の2日間、合計5回ふぇのたすのライブが行われたのですが、金曜日は仕事で行けなかったので土曜日に行ってきたわけです。

ローランドのブースには、看板商品のVドラムなど電子楽器が多数展示されていて、その奥が着座式のライブスペースになっていました。そこには人数分のヘッドフォンが置かれていて、それを装着して演奏を聴くという珍しいスタイル。ローランドは音楽系同人誌イベント「M3」でもブースを出していたのですが、そのときも同じ方式でした。生演奏をヘッドホンで聴くというのは不思議な感覚ですが、こういう展示会では周りでも色んな音が鳴っているので、集中して聴くのには良いのかもしれません。

この日のふぇのたすの演奏は2回。前回のO-nestとは違い、いつもの3人体制でした。特に2回めは、途中でみこちゃんがVドラムに挑戦するというサプライズも。そしてレクチャーするミキヒコさんがカッコよく見えました(笑)。

楽曲の方は、最後に演奏した「タイムトラブル」がとても印象深かったです。アルバム収録のバージョンとは違って聴こえたのですが、おそらく10月13日に下北沢ReG(台風の夜の神ライヴ!)でアルバム全曲披露したときと同じアレンジだったように思います。アルバム音源と比べてよりシンセサウンドが前面に出ていて、未来感というか、ライムトラベラー感が強調されたトラックになっていました。ローランドのデモ的にもピッタリだったのではないでしょうか。SE部分などステレオ効果も駆使されていたので、その意味でもヘッドフォンに合ってましたね。このバージョンもぜひ音源としてリリースしてほしいです!

ふぇのたす関連ではもうひとつ、ドラムの澤“sweets”ミキヒコによる「太鼓の達人プラス×V-Drumsコンテスト」もやってました。バンダイナムコとローランドがコラボして、iOS版の太鼓の達人をVドラムでプレイできる仕組みがあるのですが、そのデモンストレーションの一環です。最初にミキヒコさんがお手本として、ふぇのたすの持ち歌にして太鼓の達人に収録された「電子ドラムの達人」をプレイ。続いてお客さんが挑戦したのですが、選んだ曲がなんと4人連続で「夏祭り」。そりゃまぁ、確かに太鼓の達人の定番曲ですけどね、さすがに4人目のときは笑ってしまいました。ところで「夏祭り」といえば、イカ天世代の自分としてはジッタリンジンの代表曲とばっかり思ってたんですけど、最近の人にとってはホワイトベリーの曲なんですね。逆にそっちのバージョン知らない自分は完全に過去の世代ですね、ハイ。

せっかくの楽器フェアなので、他のブースもいろいろ回ったのですが、とりわけ感激したのは「YMO展2014」でした。YMOが35年前に実際にライブで使っていたアナログシンセの機材セットが完全再現(この記事の最初の写真です)されていて、音は鳴らず展示されてるだけなのに、ずっと人だかりでみんな写真を撮りまくってました。そう、基本的には「音は鳴らず」だったんです。ところが、ちょうどローランドブース前でミキヒコさんと音楽談義をしているときに、突如としてあの印象的なYMOサウンドが会場中に響き渡りました。このイントロは「BEHIND THE MASK」! もちろんYMO展ブースまで激走。さすがに演奏しているのはYMOではありませんでしたが、それでも会場はすごい盛り上がりでした。演奏が終わると、どこかで見かけた顔の人が挨拶をしています。なんと小室哲哉! なるほどそのラインですね。たった1曲の演奏でしたが、これを聴けただけでも行った甲斐がありました。

それともう一つ、これもヤバかったのがデジタルシンセサイザーで復刻されたメロトロンの展示! メロトロンと言っても知らない人のほうが多いと思いますが、すごい楽器なんです。どうすごいかというと、各鍵盤の下に磁気テープが隠れていて、打鍵するとそのテープを再生することで演奏できるという、まさにサンプラーの元祖的な楽器なのです。音階ごとに録音されたテープを用意するとか今では考えられませんよね。基本サンプラーなので録音次第でどんな音でも出せるのですが、柔らかで幻想的な音色の「Flute」、荘厳で怖さを感じさせる「3 Viollins」あたりが代表的です。前者はBeatlesの「Strawberry Fields Forever」、後者はKing Crimsonの「クリムゾン・キングの宮殿」で使われているのが有名で、両曲とも特にイントロでの使われ方が特に印象的です。

単にサンプラーとしての性能を考えれば、デジタルサンプリングに敵わないんでしょうけど、メロトロンの場合はテープをトレースするときのモーター音やヘッドの巻き戻り音、さらには電圧変化による音の揺れまでも「味」として認識されていて、そういう意味ではむしろこれからの世代にもファンが生まれそうな気がします。

展示してあったのはメロトロンの実機ではなく、デジタルシンセサイザーで再現した復刻版だったのですが、逆にそういうものが商品として成り立つというのが嬉しかったです。とは言っても自分は鍵盤が弾けないので消化不良でしたが、一緒にいたミキヒコさんは色々いじって楽しんでいたようです(ヘッドフォンだったので音を聴けなくて残念!)。ちなみにiPhone用にマネトロンをシミュレートしたアプリ「マネトロン」も出ているので、気になる人はぜひ。名前の割に本格的で、全音階についてメロトロン実機の音を録音してるらしく、結構リアルです。とまぁ、そんな感じで。

ふぇのたす第二章、始まる。
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人間やってると、いくつかターニングポイントがありますよね。進学だったり、就職だったり、結婚だったり。僕は今月仕事を変えたのですが、40年を超えるこの人生の中でもかなり大きな転機になったのではと思っています。

というわけで11月20日(木)、渋谷TSUTAYA O-nestで行われた「GREAT HUNTING NIGHT VOL.66(略してグレハンナイト)」で、ふぇのたすのライブを観てきました。ちょうど1週間前にサポートメンバー2名の加入が発表され、そのお披露目となったこのライブ。数年後に振り返ったとき、間違いなくこの夜がひとつのターニングポイントだった語り継がれることでしょう。

ふぇのたすは、結成当初ボーカル/ベース/ギター/デジタルパーカッションの4人体制だったのが、途中でベースが抜けて3人体制になったという経緯があります。とはいえ、出回っている音源は3人になってからのものばかりだし、僕を含めてほとんどのファンにとっては、みこ/ヤマモトショウ/ミキヒコの3人のイメージだと思います。「80年代ニューウェイブのエレクトロポップユニット」という形容もあいまって、ポップでライトなサウンドが耳にこびりついているのではないでしょうか。

でも僕は個人的に、ベースがいないことに少しだけ物足りなさを感じていました。ポップなサウンドも良いけれど、やっぱりそれを下支えするリズム隊はしっかり締めてほしい。「ふぇのたすは今の3人でちょうど(キャラ的に)バランスが良い」、「サウンド的にも今の編成で完成している」といった声も聞こえてきましたが、僕はベース待望論をひたすら唱えていました。だからこそ、NAGESENのアンコールでShiggy Jr.のベーシスト森夏彦が加わって演奏した「ガールズ・レテル・トーク」は涙がチョチョ切れるほど嬉しかったわけです。

この夜の出演アーティストは4組、ふぇのたすの出番はラスト。野球の試合前に練習風景を見るのが楽しいように、ライブの転換時に機材セッティングを見るのは楽しいものです。5人編成でステージがどう変わるのか注目して見ていると、普段は向かって左奥に陣取っている電子ドラムのセットが今回はググっと前に出て来て、その後方にベース、そして右奥にキーボードという配置でした。ショウさんのギターとボーカルみこちゃんの立ち位置はいつもと変わりません。

やがて照明が落ちると、いつもの3人に高木翔太(Ba.)とrionos(Key.)を加えた5人が登場し、1曲目の演奏がスタート。聴き覚えのないイントロに新曲かとおもいきや、なんと新アレンジの「すしですし」でした。ベースが加わっただけで、音の厚みが全然違います。さらに、従来はバックトラックを使ってたシンセパートが生演奏になっていたりして、超パワーアップしたふぇのたすがそこにいました。ベースラインがしっかり鳴ることでミキヒコさんのドラムもより引き立っていたし、ショウさんのギターも思いっきり暴れまわっていました。そしてこの豪華なサウンドに乗って映えまくるみこちゃんのボーカル! 最前列で顔がぶつかりそうな距離感に、もう感動しかありません。

ベース加入の効果が一番大きかったのは、4曲目に演奏した「たびたびアバンチュール」でしょうか。お腹にズンズン来るこの感じは、今までのライブでは味わえなかった感覚です。キーボードの効果は僕の立ち位置ではちょっと分かりづらかったけど、最後の「ありがたす」ではピアノサウンドがメッチャはまってたと思います。昔、アサヒビールがスーパードライを発売したときのキャッチコピーに「コクがあるのに、キレがある」っていうのがあったけど、昨日のふぇのたすは「重厚なのに、ライトでポップ」という感じでした。

評価を固めつつあったスタイルを変えることには、メンバーだって不安もあったはず。でも、昨日のライブを見る限りは大成功だったと思います。あえて変化を求めたふぇのたすには、最大限の拍手を送りたいです。来月の大阪ワンマン(12/7)と、東京ワンマン@渋谷QUATTRO(12/11)では、最高のパフォーマンスを見せてくれることでしょう。そしてこのワンマンライブでは、誰しも期待する超ビッグなニュースが発表されるのではないかと勝手に予想しています。「ふぇのたす第二章」の始まりです。

ちなみにもうひとつ、個人的にこのライブが最高だったのが、終演後のBARタイム。O-nestはホールの上の階がBARフロアになっていて、物販を含めファンとアーティストが入り乱れる光景がよく見られます。そしてこの夜は、いつものふぇのたすファンの仲間と、そしてメンバーと、お酒を飲みながらたっぷり話すことができました。その流れでみこちゃんにビールを奢ったらすごく喜んでくれて、しかもそのビール持ったまま自撮りしてTwitterのアイコンにしてくれました! これはもう、ファン冥利に尽きるというレベルを超えて、ふぇのたすに一生を捧げるしかないですね。まぁ、そんな感じで。


※トップの写真は、ふぇのたす公式ツイッターの写真をお借りしました。

シブカル祭。は「シブカルまつり」と読むのです。
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もう10日も前のことですが、渋谷パルコが主催するカルチャーイベント「シブカル祭。」に行ってきました。最終日前日の26日、目当てはblue marbleと吉澤嘉代子のフリーライブ。実はその1週間前にラブリーサマーちゃんのステージも見たんですけどね。そのとき司会進行の人が「シブカル祭り」と言っていたのを聞いて、初めて正式な読み方を知りました。「シブカルサイ」のほうが読みやすいじゃん!!(って某シンガーさんも仰ってました笑)

blue marbleについては、前にワンマンライブのレポートを書いたので、気になる方はそちらを見ていただくとして。14時スタートということで、ちょっと早めの13時過ぎにパルコ付近に着いたのですが、いきなりVo.武井麻里子ちゃんの生歌が聴こえてきたので、1時間まちがえたのか焦りました。実際は早めのリハだったようで一安心。

先週はド派手なステージトラックを持ち込んでいたパルコ前広場ですが、今回はこじんまりとしたステージが用意されていました。お祭り感はやや控えめながらも、公園通りに面してる分だけ通行人からは見えやすい感じです。バンド編成での演奏と聞いていたので楽しみにしていたのですが、ステージが狭いためか今回はメンバーの3人+サポートベースの4名構成。ドラムはシーケンサーの演奏で、ギターの音も鳴ってたのかな? あまり印象に残ってません。逆に目立ってたのは古川氏のベースサウンド。本人はずっと明後日の方向見ながらノホホンと演奏している感じでしたが、普段よりも低音が心臓に響いてきていい感じでした。ボーカルのまりちゃんはシブカル祭。の舞台が楽しくて仕方ないといった印象で飛び跳ねまくり。そしてワンマンライブから1ヶ月しかたってないのに、そのときより歌唱力が大幅にアップしている印象。声量の微妙なコントロールがかなり上手くなっていたような気がします。素晴らしい!

blue marbleの演奏後は、パルコミュージアムへ「シブカル展。」を観に。いわゆるサブカルっぽい展示が多かったですが、それほどパワーは感じなかったかな。フクザワさんは大好きで、すごく良かったんですけど、いかんせんスペースが狭すぎて。

あと同じ3階のフロアに「愉鳴呼社(ゆああしゃ)」というアート集団の展示があったのですが、これはなかなか面白かったです。今回のシブカル祭。のテーマ「トゥギャザーしようぜ!」を人文字で表現しているんだけど、それが観光地の顔はめパネルよろしく顔をはめて写真を撮れるようになってるんです。何が言いたいかというと、このアート作品を完成させるには鑑賞者も作品の一部として協力することが必要なわけで、つまり「トゥギャザーしようぜ!」というテーマを作品が体現しているんですね。実に深いです。

そんなこんなしている間に、もう一つのお目当て吉澤嘉代子さんの出番。リハーサル中なのに観客に手拍子を求める吉澤さんと、すかさずそれに応えるファンの関係値が微笑ましい限りです。blue marbleのときと違って撮影が許されなかったので写真はないのですが、実に魅力的なシンガーソングライターだと思います。歌謡曲的な懐かしさを感じさせるメロディと抜群の歌唱力、それも単に上手いだけじゃなくて声の使い方が実に巧い。そしてステージでの振る舞いが何とも可愛らしい。ラッキー池田が担当した「ケケケ」のように振り付けバッチリの楽曲はもちろん、そうでない曲のときも優雅にふわりふわりと舞うような感じで。人の心を惹きつける要素が詰まった素敵な方だと思います。

それと面白かったのが、演奏の途中ですぐ後ろの公園通りにデモ隊がやって来たこと。特定秘密保護法に反対するデモで、その活動自体は個人的に支持するところなのですが、タイミングが悪かった。ヒップホップだかラップだったか忘れましたが、よく分からない音楽を大音量で流しながらのデモ行進に、さすがの吉澤さんも困り顔。「こんなに大きな声を出したのは久しぶり」と本人が言うくらい大声で対抗していました(笑)。

ところでライブの様子は撮影禁止でしたが、終了後に「ケケケダンサーズ」の皆さんと写真を撮ることができました。ついさっき見た「トゥギャザーしようぜ!」に心なしか似てるように思えるのは気のせいでしょうか。まぁ、そんな感じで。

ふぇのたす企画「NAGESEN」@下北沢GARDENレポート
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 “投げ銭”ってご存知でしょうか。そう、ストリートミュージシャンの演奏や大道芸とかで、気に入ったらお金を投げ入れるアレです。以前、RADIOHEADがこの投げ銭方式でアルバムを発売したことが話題になりました。定価が設定されているわけでなく、聴き手がその価値を評価して支払う金額を決めるという仕組みは、ある意味で人間の性善説に基づいたものだと思います。

 この投げ銭方式を採用したブッキングライブ企画、その名も「NAGESEN」が、ワタクシ一推しの音楽グループ「ふぇのたす」により開催されました。ふぇのたすは以前からデモCDを度々この投げ銭形式で販売しており、今回はその延長線上での企画。対バンには人気急上昇中のアイドルグループ「BELLRING少女ハート」や、もはや大御所の「大森靖子& THE ピンクトカレフ」など集客力のあるメンツが揃い、チケットはほぼ発売と同時にソールドアウトになっていました(対バン発表ごとに3回に分けての発売でしたがいずれも即完売)。会場は下北沢GARDEN。無所属のインディーズバンド主催の企画でこのセールスは結構すごいのではないでしょうか。

 というわけで迎えた2014年9月26日。前から2列目センターを確保した上で、物販の列に並びました。お目当ては、この日に発売開始した渋谷QUATTROふぇのたすワンマンライブチケット! 物販の女神さわたす(ふぇのたすスタッフの方です)からの「良番ですよ!」という声に、整理番号を見ると「A11番」で確かに良番。開催当日の12月11日は平日なので、おそらく開場には間に合わないと思いますが。。実は同月7日(日)に行われる大阪ワンマンのチケットもネット通販で予約済み 。バンドのライブで地方遠征なんて、この歳になって初めてですよ本当に。ちなみに下の写真でチケットの奥にあるのは先行予約特典のデモ音源「ファッション戦争」。大阪の方には「大阪グルメタウン」というベタなタイトルの音源がついてくるらしく、そちらも届くのが楽しみです。

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みこちゃんお誕生日企画バンド

 前置きが長くなりましたが、いよいよ開演。オープニングアクトは、ある意味この企画の最大の目玉、ふぇのたすのボーカルみこちゃんにより新結成された「みこちゃんお誕生日企画バンド」です。普段のふぇのたすは打ち込みのトラックに被せる形で演奏するのですが、今回は生バンドの演奏をバックに歌うというレアな企画で、否が応でも期待が高まります。ふぇのたすからはボーカルみこちゃんのほか、普段Vドラムを叩いている澤”sweets”ミキヒコが生ドラムで参加。そこにShiggy Jr.のスーパーベーシスト森 夏彦とアカシックのギタリスト奥脇達也が加わった4人構成。前日にSoundCloudでデモ音源が公開されたので予習もバッチリです。

 もともと八雲ミコ名義でシンガーソングライターの活動をしているみこちゃん、当然ながら普通に作詞作曲できるアーティストさんです。ところがふぇのたすではジーニアス山本奨が女子以上の女子力を発揮した名曲を書いてしまうので、みこちゃんはボーカリストに徹しています。でもこの企画バンドではみこちゃん自身が作詞を手がけ、作曲はアカシックのメロディメイカー奥脇氏が担当。歌うのは同じみこちゃんでも、それ以外の背景がいつもと全く違うとあって、平日17時台の開場にもかかわらずあっという間に満員の勢いです。

 そしていよいよ開演。みこちゃんは普段の可愛らしい印象からガラッと変わって、シックで大人っぽい衣装で登場です。1曲目は「500日間」。普段のピコピコサウンドに乗せて歌うのもいいけど、重厚なバンドサウンドで歌うみこちゃんも素晴らしい。いかにもアカシックっぽいメロディラインを、オリジナルの理姫さんに負けないくらいしっかり歌いこなしていました。

 続いて2曲目は「みきひこくんへ」。女気のないミキヒコさんに捧げる歌のようです(謎)。ここでの発見は、ミキヒコさんちゃんとドラム叩けるんだ!っていうこと(笑)。いやもちろん知ってましたけど、この目でちゃんと確かめられて良かったです。個人的には電子ドラムより生ドラムの方が好きなので、ふぇのたすもこっちでやってほしいなと思いました。

 そしてラストは「バーニング」。お酒を飲み過ぎて起きられない朝を歌った曲です。って違うか。本日結成初ライブにして解散ライブということでしたが、またこのような楽しい企画を期待したいと思います。

(1,500点)

大森靖子 & THE ピンクトカレフ

 大森靖子さんのことは、ちょうどふぇのたすを知った昨年末ごろから気にはなっていたのですが、実際にライブで見たのはつい1ヶ月前の「MOOSIC LAB SUMMER FEST 2014」が最初。渋谷WWWで上の方から見下ろしていたのですが、アコギを掻き鳴らしステージを這いず回りながら歌う姿にノックアウトされてしまいました。その後インストアライブなど2回ほど見てこの日を迎えたわけですが、今回は「& THE ピンクトカレフ」ということでバンド編成。ピントカの演奏もかなりヤバイと聞いていたので、期待が膨らんでいました。

 照明が落ちると、5日前にロングヘアーをバッサリ切ったばかりの大森さんがバンドメンバーを従えて登場。ピンクトカレフ、確かにヤバイです。2本のギターで引っ張るやや荒削りなサウンドが、大森靖子の歌唱にこれ以上ないくらいドハマり。過去に一度だけライブで見た「椎名林檎&天才プレパラート」を彷彿とさせるステージでした。

 曲と曲の継ぎ目なく次々と演奏が続き、メジャーデビューシングル「きゅるきゅる」の間奏に入ったところで大森さんダイブを敢行。前から2列目中央に陣取った私の上空を飛行していきました(笑)。PARCO前広場のときは横目で見ていたのですが、今回は自らの両腕で貢献できて満足です。

 まあ私がここで言うまでもないですが、大森靖子は日本の音楽史に名を残す存在になると思います。少なくとも山崎ハコや森田童子クラスは間違いないです。いやいやもっと行くか。曲が特別いいとか、歌が特別上手いとかいうわけじゃないけれど、心を揺さぶる力、土足でズカズカ踏み込んでくるような力がある。一応PV貼り付けましたけど、ぶっちゃけこれを見ても彼女の魅力は100万分の1くらいしか伝わらないと思います。未見の方は、一度ライブで見ることをお薦めします。個人的にはやっぱりソロの弾き語りのほうが好きです。

(1,500点)

Vampillia

 前田敦子をネタにしたコントまでは面白くて良かった。でも、音楽は正直理解できませんでした。ツインドラムにエレキバイオリン、ギター2本にベースにキーボード。ボーカルを含めてステージ上9名の大所帯。ジャンル的には何に分類されるのでしょうか。無国籍なプログレ風サウンド? と言うよりは単に轟音と表現したほうが的確なような気がしますが。ボーカルは何を言ってるか聞き取れないし。キックボードや梯子を使ったパフォーマンスもぎこちない印象でした。

 とはいえドラマーの吉田達也氏とか相当な実力者みたいだし、バンドとしてもその筋では結構高く評価されているらしいので、個人的に趣味が合わなかっただけなのでしょう。でも、ふぇのたすとのヴァイブスは決して高くないと思うんだけどなぁ。Vampillia、今回一番謎のステージでした。

(点数計測不能)

BELLRING少女ハート

 そしてやって来ましたBELLRING少女ハート、略してベルハー。初めて聞くと、この名前だけで謎ですよね。だってドイツのBERLINじゃないんですよ。ベルがリンリン鳴るからBELLRINGなんだそうです。とまあ名前のことは置いておいて、いわゆる地下アイドルの中でもベルハーはいま最も勢いのあるグループなのではないでしょうか。今回が初見だったのですが、噂に違わぬすごいステージでした。いや、すごかったのはステージじゃなくて、むしろ観客の方なんですけどね。

 ふぇのたすのライブではアイドルが対バンに出ることが多いので、最近はヲタ芸もだいぶ見慣れてきたつもりでしたが、ベルハーのそれは次元が違いました。ファン同士がペアを作ってポーズを作ったり、みんなで輪になってぐるぐる回ったりと、まさにステージとフロアが渾然一体となった展開。メンバーもダイブこそしないものの、全身汗だくになってステージ上を駆け回ったり、口に含んだ水をファンに向かって霧状に吹きかけたりとやりたい放題。圧巻は、メンバー6人全員がステージ前の柵上に仁王立ちで歌う姿。もうね、完全にベルリンの壁ですよ。しかも柵の上でバランスを取るために、何と6人の右手をそれぞれファンが必死で支えているんです。いやーこのベルリンの壁はそう簡単には崩壊しませんよ。天晴です。

 このようにファンと一体となったパフォーマンスも見事でしたが、音楽的にもアイドルとしてはかなりクオリティが高い印象です。重厚なサウンドに歌唱力がついていけてない部分はありましたが、あの運動量ではそれも致し方ないでしょう。口パクに逃げずしっかり生歌を貫いているだけでも十分に偉いと思います。

 ただ残念だったのは、一部のファンのマナーですね。終盤に差し掛かるところで、「関係ない人はどいたどいたー!!」言わんばかりに、いきなり力ずくで押し退けられました。フロア前方は本当に好きな人に譲るべき、という考え方は否定しないけど、有無を言わさず力で追い払うのはどうなんでしょう。ひとこと「場所を譲ってもらえませんか」って言ってくれれば譲るんですけどね。そして彼ら、ベルハーが終わったら主催のふぇのたすを待たずしてとっとと消えてしまいました(もちろん残った人も沢山いましたが)。このイベントを何だと思ってるのでしょうか。彼らが投げ銭いくら入れて帰ったのか知りたいところです。

(パフォーマンス1,000点−ファンのマナー1,000点=±0点)

ふぇのたす

 そしてトリを務めるのは、我らがお待ちかねのふぇのたすです。前方を占拠していたベルハーファンが潮が引くように去っていったので(いや、空けていただいたんですね、ありがたす!)、入れ替わりで元のポジションへ復帰しようとしましたが、初動の遅れが響いて少し後ろになってしまいました。

 今回は主催イベントということもあり、曲数も多めで全8曲。「たす+たす」で始まり、続いて定番の「すしですし」と「スピーカーボーイ」。新曲の「ファッション戦争」を挟み、「東京おしゃれタウン」「たびたびアバンチュール」「おばけになっても」とこれまた定番、そして最後はお約束の「ありがたす」と、ふぇのたす初心者にも分かりやすいセットリストでした。途中で歌詞を間違えたりしたものの、全体としては安心して見ていられる危なげない演奏。みこちゃんの表情には貫禄すら感じられるほどでした。そうそう、みこちゃん今度はいつもの感じのかわいい衣装に変わっておりました。

 MCでは「みなさん、お金の準備はできてますか?」と、投げ銭企画の要であるお金についてアピール。「すしですし」の歌詞にも「OKANE」が紛れ込むなど、完全に金の亡者モードです。でもそれはそうでしょう、入場無料のこの企画、みんなが帰りにお金を払ってくれないと、会場使用料から対バンのギャラまで全部ふぇのたすメンバーの個人負担ですからね。「無所属新人なので(中略)リスクはメンバーが負う」とショウさんが書いてました。

 その後は、主催イベントならではのアンコールです。メンバー3人がNAGESENオリジナルTシャツを着て登場すると、「むかし僕が作った曲をやります」とショウさん。ステージには大森靖子さん、そしてみこちゃんお誕生日企画バンドで演奏したベースの森 夏彦氏が上がりました。そう、最後の演目はナンバタタン(タルトタタン+南波志帆)の代表曲「ガールズ・レテル・トーク」。ふぇのたす山本奨がプロデュース&作曲、大森靖子が作詞、森夏彦がベースで参加したナンバーです。

 この演奏は、個人的に思いっきりツボでした。まず、みこちゃんの声が曲調にピッタリ合ってる。オリジナルの南波志帆さんたちには悪いけど、みこちゃんの声のほうがしっくり来ました。やっぱりショウさんの曲にはみこちゃんの声が合うのかなぁ。本当に絶妙すぎました。ちなみに大森さんの声はあまり印象に残ってません。どうしてだろ。

 それから大きかったのがベースの存在! 音の厚みが一気に増して、とても聴き応えのあるサウンドになっていました。普段のふぇのたすも十分に素晴らしいのだけど、人間とは無い物ねだりをする動物なので、やっぱりベースも欲しいなと思ってしまいます。新メンバーとしてベーシストを迎えるのは難しいとしても、12月のワンマンでは何曲かゲストベースを加えて演奏しても良いのではないでしょうか。いずれにしても、大満足のアンコールでした。

(2,000点)

賽銭箱

 帰りにもう一度物販に並んで、NAGESEN缶バッジとみこちゃんお誕生日企画バンドのデモCDを買いました。デモCDは1,000円、歌詞カードが別売りで100円ですって。さすが関西人、いい商売してます(笑)。

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 そして最後に本日のメインイベント、投げ銭。採点した合計点数を日本円に換算して、透明なボックスに納めました。まぁ金額は最初から決めてたんですけどね。

 このとき気になったのが、箱の中身が千円札ばかりでその枚数も少なく見えたこと。勝手な推測ですけど、千円札1枚だけ入れて帰った人が多かったのではないでしょうか。この規模のライブだと、通常は入場料2,500円から3,000円くらいが相場です。なので、満足したなら最低でも2枚、できれば3枚以上入れてほしいところだと思います。

 賽銭箱を出演者ごとに分けたり、あるいは出演者自身が箱を持って受け付ける形を取れば、お客さんが入れる額も違ったんじゃないかと考えてみたり。そう言えば今回の出演者のうち、“満足度に応じてお金を払う”投げ銭の主旨を説明してたのは、トリを務めたふぇのたすだけでした。最後まで見ないで帰ったお客さんがどれだけ理解していたかは疑問です。こういう企画に出演するアーティストは、自分のファンに対して主旨を説明することが、主催者に対する礼儀だと思うのですがどうなんでしょう。

 このNAGESENが、赤字に終わってないことを祈るばかりです。そして、また次もぜひこういう企画にチャレンジしてもらいたいです。NAGESEN 2015、期待しています!

blue marble 初ワンマンライブ「ドキドキ元年」@原宿ストロボカフェ レポート
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 いわゆる売れ線の、聴きやすいやすいポップスってあるじゃないですか。巨匠を例を挙げるなら、大滝詠一とか筒美京平の世界(決してdisってませんよ、念のため)。その一方で、玄人好みのテクニカルな音楽もありますよね。ちょっと敷居は高いけど、聴けば聴くほど発見があるような。この前者の「聴きやすさ」と、後者の「玄人好みのテクニカル」な面を併せ持った音楽グループに出会いました。

 作曲を手掛けるショック太郎・とんCHANの二人で結成され、後にボーカル武井麻里子が加入した3人組、“blue marble”。そのファースト・ワンマンライブ「ドキドキ元年」が、去る9月20日(木)原宿ストロボカフェで開催されました。blue marbleについてはまだネット上にも情報が少ないので、ここはひとつ頑張ってレポートを上げることにしましょう。

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第一部(前半戦)

 開演前に、blue marbleが所属する「乙女音楽研究社」川島イタル社長よりご挨拶。休憩を挟んで2部構成になるとの案内でした。この社長さん、同社所属フレネシさんのイベント「フレネシ学園」に行ったときも喋ってましたが、間のとり方が独特でとても面白い方です。こういう人と一緒に仕事ができると楽しいんだろうなと思います。

 というわけで前半戦、第一部がスタートしました。観客100人くらいの小さな箱で、陣取ったのは最前列。ステージはやや高めで60cmほど。ボーカルのまりさんが出てくると距離が近すぎて、何だか照れてしまいました。でもそんなことお構いなく演奏がスタート。blue marbleはツインキーボード(シンセ+ピアノ)&ボーカルというやや変則的なメンバー構成なのですが、そこに今日はドラム、ベース、ギターのサポートが加わって磐石の布陣です。まずは最新アルバム「フルカラー」収録の「boy MEETS girl」、普段のライブでも必ず歌う定番曲で幕を開けました。

 いま、最新アルバムと書きましたが、blur marbleが出したアルバム2枚のうち、武井麻里子が参加しているのはこの2ndのみ。ゲストボーカルで収録された1stアルバム「ヴァレリー」の曲を彼女が歌っているのは聴いたことがありません(本当は幻のデモCDがあるのですが、すでに完売で手に入らない>_<)。しかし今日は持ち時間たっぷりのワンマンライブということで、どこかで旧譜の曲もやるのかなと期待していたら、いきなり2曲目で封印を解いて「パーティーの方程式」を歌ってくれました。私が原曲を知らないからかもしれませんが、普通に自身の持ち歌のように歌いこなしていて、まったく違和感がありません。さすがです。

 この後、新譜と旧譜の曲を織り交ぜつつ、チャクラのカバー曲「まだ」を挟んだりしながら、最後は太鼓の達人にも収録されている「super star shooter」を歌って第一部が終了。実にあっという間でした。

ハーフタイム

 しばしの休憩を挟んで、とんCHANとショックさんが再び登場。トイピアノで演奏したり、とんCHAN手作りのパンが抽選(?)でプレゼントされたりと、ほのぼのとした雰囲気でした。

 続いてまりさんも登場し、何とヘアメイクショー! 武井麻里子さんはサロンモデルとしても活躍しているのですが、そのヘアメイクチェンジの様子をステージ上で公開しながらバックで演奏するという企画なのです。進行役の川島社長から、まずサポートのベーシストとギタリストが呼ばれます。次にドラマーが呼ばれたのですが、何やらダイソーに電池を買いに行って不在ということで、急遽ピンチヒッターに指名されたのはショックさん。突然のことに戸惑う素振りを見せるも見事なスティックさばきを披露したので、これは台本どおりなのかと思いきや、後から聞いたところリアルに突然の無茶振りだったとのこと。リハ無しであの演奏は、さすがという以外ありません。

 そうこうしているうちに、ヘアメイク終了。担当したゲスト美容師の玉木氏曰く、コンセプトは「可愛い顔が隠れるともったいないので出してみました」とのこと。なるほど確かに!

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第2部(後半戦)

 明けて後半戦、まりさんは衣装を変えて登場。続けざまに演奏した「未明☆戦争」と「空、緑」は、アルバム「フルカラー」でも冒頭に曲順で収録された代表曲。変拍子に転調、意表を突きつつも心地よいコード進行など、blue marbleらしさがこれでもかと言うくらい詰まっています。この先どっちに曲がるか分からない、スペースマウンテンに乗っているような感覚の楽曲。この演奏にはかなりの力量が求められるはずですが、サポートの3人は難なく演奏しているように見えるのが心憎いです。そしてそこに乗っかる武井麻里子のやや突き放したようなボーカルは、冒険に出る少年の期待と不安の交錯を見事に描いています。この感覚はPVでも十分に伝わるので、未見の方はぜひチェックしてほしいです。

 続いて、まりさん自身いちばん思い入れがあるという「flowers」。最初はピアノの伴奏だけでしっとり歌い、2番に入るところでベースとドラムが加わって厚みを増し、さらにギターソロで泣かせるという神展開のこの曲。感情を込めて歌い上げる姿は何というか、神々しかったです。

 そのあとは新曲の「空の魚」、PVにもなっている「prince of modern」、旧譜のヴァレリーより「街を歩くソルジャー」と続き、いよいよラスト1曲。絶対に聴いたことある曲なんだけど、どうしても思い出せない! この曲なんだったんだろう??と思って終演後に訊いたら、PSY・Sの「WOMAN・S」のカバーとのことでした。そう言えば前にもライブでやってたっけ。確かにblue marbleとPSY・Sはサウンドの傾向が似てるような気がします。

アンコール(延長戦)

 そしてお約束のアンコール。メンバー3人ともワンマンオリジナルTシャツに着替えて登場です。まず「フルカラー」収録の「空が喚く」を演奏し、一旦引っ込んだと思ったら2度目のアンコールで新曲の「Hello!」を披露(ダジャレになってしまった^^;)。このとき観客全員に配布されたブルーのサイリウムは、ステージから見たらきっと圧巻だったことでしょう。

 全演目が終了し、物販タイム。今回は何も買わなかったのですが、ちゃっかり写真を撮らせていただきました。まりさんがさしてる傘は、別のファンの方がその場でプレゼントしたものです。

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最後に感想

 キャッチーかつテクニカルな楽曲と、卓越した演奏技術。独特な世界観の歌詞と、個性的なボーカル。そして女性アーティストとしては極めて重要なビジュアル面もベリーキュート。blue marbleは、売れる要素を十分に持っているグループだと思います。とんCHANとショックさんは普通に働いているのでマイペースな活動になりがちかもしれませんが、その分まりさんが引っ張って高みを目指してほしいです。次のワンマンは、代官山LOOPかな??

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セットリスト

blue marble初ワンマンライブ
2014年9月20日(土)「ドキドキ元年」@原宿ストロボカフェ

第一部

1.boy MEETS girl
2.パーティーの方程式
3.shine me more
4.未来都市ドライブ
5.まだ(チャクラのカバー曲)
6.あんのうん
7.super star shooter

企画1「とんちゃん&ショック太郎のコーナー」

1.降り続く雨はいつでも (piano solo ver.)
●とんちゃん天然酵母パン~プレゼント抽選会
2.ゲルダの初恋 (toy piano ver.) スライドショー~本間藍(イラストレーター)

企画2「まりのヘアカタショー」
司会・川島イタル ゲスト美容師・玉木 亮(サロン ド ミルク)

●即興セッション曲「What’s Going On」(マーヴィン・ゲイのカバー曲~ドラム・ショック太郎)

第二部

1.未明☆戦争
2.空、緑
3.flowers
4.空の魚 (新曲)
5.prince of modern
6.街を歩くソルジャー
7.Woman.S (PSY・Sのカバー曲)

アンコール1

1.空が喚く

アンコール2

1.Hello!(新曲)

http://bluebluemarble.tumblr.com

※セットリストは「blue marbleのマテリアルワールド」より
※写真は武井麻里子Twitterより(開演前と傘の写真は私が撮影)

ふぇのたす2ndワンマンライブ「2014ねん、なつ」@渋谷WWW
MusicLive Reports

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プロローグ

 ついにこの日がですね、やって来たわけですよ。ふぇのたす2ndワンマンライブ。思えば3月9日のぽわん主催スリーマンライブの会場で超先行前売りチケットを買ってから約3ヶ月。この間ブログは全然書いてませんでしたが、その間にトークイベントなどを含めると7回も現場に足を運ぶほど中毒症状が進行しておりました。

 それでもやっぱりワンマンライブは特別な存在です。昨年のクリスマスイブに渋谷O-nestで行われた1stワンマンは、そのわずか10日前のライブでたまたま見て衝撃を受け、「これは何としても目に収めておかなければ!」と勢いで駆け込んだ状態。でも今回は、ライブに行くたびデモ音源を買い漁り、Youtubeで公開されているWebラジオ「伝説トーク」を毎週欠かさず聴きまくり、ニコ生ふぇのたすコミュニティの放送もタイムシフトを活用して完全制覇、ファン同士の知り合いも増えてきて、まさに満を持して迎えたワンマンなわけです。お昼はびっくり寿司のランチでゲンを担ぎ、18:30の定時きっかりで仕事を切り上げて一路渋谷へ! まぁ隣の駅なのですぐに着いたのですが。

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 会場はPARCO前シネマライズの地下に位置するWWW。収容人数は約450人で、前回のO-nestと比べるとほぼ倍のキャパがあります。残念ながら開場時間には間に合わず最前列には行けませんでしたが、ひとつ段を上った中央を確保。WWWはもともと映画館だった空間を改造して作られているため、後方に行くほど段々と高くなっていて、どの位置からでもステージが見やすいハコなのです。そもそもふぇのたすのメンバーがここを選んだ理由のひとつが「ステージからお客さんの顔がよく見える」こと。ファンと一緒に楽しむことを大切にするふぇのたすならではの選択です。そんな中でも、ボーカルみこちゃんの目線のちょうど正面という絶好のポジションを押さえたのはラッキーでした。

前半戦

 定刻を5分ほど回ったでしょうか。ステージ後方の巨大スクリーンに、ライブ鑑賞上の注意事項が流れ始めました。メンバー自ら出演しての映像だったのですが、「ライブ中に寿司禁止」とか「ゾンビは入場禁止」とかお約束のネタが仕込まれていて笑わせてくれます。中でも「ライブ中のスケベ行為禁止」には場内爆笑。そんなことわざわざ禁止するライブは初めてです(笑)。最後に写真撮影禁止が出てきて、まぁこれが言いたかったんだろうけど、何かと反発したくなる禁止事項もこうやってユーモアを交えて言われると悪い気がしません。そう言えばGWに行った「フレネシ学園」でも、開演前に乙女音楽研究社の社長が出て来てギターポロンポロン言わせながら「母さん。。」と笑いを取りつつ禁止事項を訴えてました。みんな楽しみに来てるんだから、こういう姿勢は大事だし、スマートだと思います。

 注意事項の映像が終わると、ギターのヤマモトショウとデジタルパーカッションの澤“スイーツ”ミキヒコの二人が登場。ふぇのたす定番のオープニングナンバー《たす+たす》でスタートしました。ステージに見当たらなかったみこちゃんは、「私はここにいるよー」と観客の後方から颯爽と登場。でも背が低くて全然見えない(笑)。スポットライトで追いかける的な演出があったら良かったかもしれません。

 そして2曲目は2ndミニアルバム『胸キュン’14』のリードナンバーで、MVにもなっている《すしですし》。そうそう、今回のワンマンは胸キュン’14のレコ発ライブでもあったんです。スクリーンにはMVの映像、ではなくて、MVの終盤に出てくるガイコツが踊ってました。とはいっても、演奏中はみこちゃん中心にずっとメンバーばかり見てたので、映像の内容は正直よく覚えてないんですけど。ところですしですしのMVではゾンビ姿を披露したミキヒコさん、ライブにもゾンビメイクで登場するかと期待したけど普通の格好でした。まぁ今回はゾンビ入場禁止だったしね;-)

 このあとは《たびたびアバンチュール》《ヘッドホンガール》と、ふぇのたすらしくない(?)カッコイイ系のナンバーが続きます。と言いつつどっちも名曲で、特にヘッドホンガールは個人的にふぇのたすで一番好きな曲。ライブで見るとみこちゃんの表情と声の変化にグッと来ます。この曲だけのためにライブに行く価値があると断言できます。まぁ演らないときもあるけどね。

 続いて《有名少女》《ラッキースケベ》《もどかしぃテレパシィ》《女の子入門》。こうやって書くと連続で歌ってるみたいですが、そこはトーク大王のふぇのたすのこと、毎曲ごとに楽しいMCや演出を挟んでいます。女の子入門では、ミキヒコさんがドラムを辞めてDJ担当に転向したという設定で「エアDJ」になってました。ふぇのたすには珍しくラップっぽい部分があるからかな。ちなみにこの曲は、MOOSIC LABという映画祭で上映予定の作品『おんなのこきらい』の挿入曲になっていて、さらに全音楽をふぇのたすが担当することになっているのですが、先週の時点でショウさん「まったく曲できてない」って言ってました(笑)。来月公開なのに大丈夫なのでしょうか。まぁ彼の楽曲量産力なら心配ないでしょうけど。

後半戦

 そしてこれが、今回のライブで最初の山だったと言えるでしょう。《チーズケーキコンプリーション》でひとつの事件が起きました。関係者それぞれに思いがあるはずなのでここでは詳しく書きませんが。。ショウさんがギターを手にとった瞬間にヤバイなと感じたんです。ファンとメンバーのヴァイブスが強すぎたからこそ起こった悲劇・・・。いや、ポジティブに捉えれば、結束の強さを再確認できたシーンと言えるかもしれません。現象としては、サビの部分を観客も一緒に歌っただけなんですけどね。

 10曲目は「東京おしゃれタウン」。この曲には楽しい振り付けがあって、ライブではお客さんも一緒に踊るのが恒例になっています。自分はそういうの苦手で今まで静観を決めていたのですが、今回は思い切って踊ってみました。「一緒に踊ってくれる人が増えて嬉しい!」って言うみこちゃんの言葉が密かにプレッシャーだったので、ようやく開放された感じです。あんまり上手く踊れなかったけど、まぁそれはそれとして。

 それから《きごごちかん》、名曲《スピーカーボーイ》と続いて、13曲目が《おばけになっても》。初めて見た12月のライブで、多分最初に聴いたのがこの曲だったと思います。みこちゃんが楽しそうに踊ってる姿を見て、その瞬間に虜になりました。今回は、ええ、踊りましたよ。やっぱりあんまり上手く踊れなかったけど。最初から最後まで完璧に踊りきる人もいっぱいいて、ホント感心します。

 そしていよいよ最後の曲。『ありがたす』はアンコールに持ってくるだろうから、残ってるのは事前にやるって宣言してた『ウルトラデラックススーパーストーリー』かなーと思いきや、予想を見事に裏切って《夜更かしメトロ》。この曲はふぇのたす前身のphenomenon時代のナンバー。SoundCloudのyamamotoshoアカウントでふぇのたすバージョンが公開されているという、隠れた名曲です。今回初めて聴いたっていう人も多かったんじゃないかな。そう言えばワンマンでやるみたいなことニコ生か何かで言ってたような気もするけど、自分としては本当に想定外の選曲でした。

 phenomenonがふぇのたすに変わったとき、新しく加入したみこちゃんの良さを引き出すべく音楽性を大きく変えたというのは、その筋では有名な話。その経緯もあってか、ふぇたのたすではphenomenon時代の曲は基本的にやらないんだけど、あえてワンマンライブの締めくくりでこの曲。いろいろ思うところあっての選曲なのでしょう。みこちゃんが行進しながら歌ってるのを見ていて、どんどん前に進んで行くんだと思ったら感極まって泣きそうになりました。個人的にはこのライブで一番の山でした。でもね、そんな背景を抜きにしてもメッチャ良い曲です。ショウさんこれぜひ正式音源化してください!

延長戦

 最後の曲を終えてメンバーがバックステージへ消えると、もちろんお約束のアンコールの拍手。ここでスクリーンにはとぼけた表情の(失礼!)ミキヒコさんが登場し、謎のリズムで観客を誘導。リズムが変わるたびに戸惑いつつ、みんな笑ってました。こういう演出は面白いですね。

そしてピンクのおばけTシャツに着替えたショウさんが登場して告知タイム。9月26日に「投げ銭ライブ」をやるという発表にはやられました。入場無料で、終演後に満足度に応じて好きな金額を払うという企画はリスクもありますが、今のふぇのたすなら心配ないでしょう。

 アンコール1曲目は、このワンマンライブの超先行前売りチケット購入特典音源だった《ウルトラデラックススーパーストーリー》。ライブのチケットに音源を付けた時点で「当日は絶対に演るよ!」という意思表明なのですが、それ以降ライブでもWebラジオでも決して流れることはなく、ほとんどのファンにとっては幻の一曲になっていました。そして5月に入り、「ワンマンではみんなで振り回してね」というメッセージとともに「ウルトラデラックススーパータオル」が発売され、そこにデモ音源としてこの曲が付属。このへんの盛り上げ方が本当に上手いと思います。このタオルみんな首にぶら下げてたもんなー。

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photo by @michikomuto

 そして遂に本当に最期の一曲。みこちゃんがみんなへの感謝の気持ちを伝え、いよいよラスト!というところでショウさんが何やら耳打ち。。なんとみこちゃん、超重要な告知を忘れていたのです。さすがの雑魚ぶりを発揮してくれて、これもある意味期待に応えてくれたといえるでしょう(笑)。それでその気になる告知内容はというと、何と渋谷CLUB QUATTROでの3rdワンマンライブ! 収容人数800人、ほぼ今回の倍のキャパです 。半年ごと倍々のペースで行けば2年半後に武道館に行けるって言ってたけど、本当に実現するかもしれません。まずは12月11日、QUATTROを満員にしましょう!

 というわけで超重要な告知も終わり、いよいよ最後の《ありがたす》。ふぇのたすのライブは基本的にこの曲で締めることになっていて、みんなで「オッケー!」と叫ぶのと、Xジャンプならぬ「+ジャンプ」をするところで最高潮を迎えます。『胸キュン’14』収録のバージョンは、結構淡々と歌う感じなので、今回が初めてのライブって人はこの盛り上がりに驚いたのではないでしょうか。途中からみこちゃん客席に走りこんできて楽しかったです。

エピローグ

 アンコールも含め、2時間弱のアバンチュール。半年ぶりのワンマンライブということで、メンバー3人と楽しみつつもちょっと硬かったかなーという印象もありました。ファンと一緒に楽しむことを大切にしていて、物販やツイッターでも気軽に話ができる彼ら。その一方でもっと大きくなることを明確に目指していて、ファンとの距離と規模のバランスをどう取っていくのか気になるところではあります。でもまぁ、ショウさん天才だから上手いこと考えるんじゃないかな(笑)。以上、13日の金曜日・満月の夜の出来事でした。

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セットリスト

ふぇのたすワンマンライブ
6月13日(金)渋谷WWW「2014ねん、なつ」
~今年一番早い夏イベント~

1.たす+たす
2.すしですし
3.たびたびアバンチュール
4.ヘッドホンガール
5.有名少女
6.ラッキースケベ
7.もどかしぃテレパシィ
8.女の子入門
9.チーズケーキコンプリーション
10.東京おしゃれタウン
11.きごこちかん
12.スピーカーボーイ
13.おばけになっても
14.夜更かしメトロ

アンコール

15.ウルトラデラックススーパーストーリー
16.ありがたす

phenotas.com

ぽわん×ふぇのたす×モルヒネ東京「DOKI♡DOKI初体験」行ってきた。
MusicLive Reports

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 ガールズバンドってあるじゃないですか。ボーカルだけじゃなくて楽器隊も含めて全部女の子がやってるバンド。歴史を紐解けば言わずと知れたPRINCESS PRINCESS、昨年森若香織が一人ユニットとして活動再開したGO-BANG’S、それからここ10年のメジャーどころではチャットモンチー、SCANDALあたりでしょうか。

 さて。少し日がたってしまいましたが3月9日の日曜日、「ぽわん」というガールズバンドのライブ「DOKI♡DOKI初体験」@新宿Motionに行ってきました。と言っても、目当ては対バンのふぇのたすだったんですけどね。で、そのぽわんなのですが、セーラー服がトレードマークになっていて、一見すると可愛らしい感じ。でもよく見てみると・・・男が混じってるやんけ!!

ふぇのたす

 そんなわけでこの「DOKI♡DOKI初体験」。前出のぽわんとふぇのたす、それから「モルヒネ東京」というバンドのスリーマンライブ企画ありまでした。トップバッターは我らがふぇのたす! 開演前に物販で「おすしパーカー」を買ってしまいまして、バッチリ着込んで臨みます(ちなみに帰りにしっかりサインもらいました)。でも踊ったりするの苦手なので、いつもと同じくやや隅のほうを陣取りました。

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 新宿Motionはふぇのたすが初ライブをやった場所ということで、彼らとしても思い入れが深い様子。そんななか目玉だったのは、やはり6曲目の「ロマンティックが止まらない」でしょう! かのC-C-Bの名曲のカバーですが、リアルタイムで聴いた世代かつカラオケでも十八番の自分としては、もう涙が出そうになる選曲です。みこたすの歌声は抑揚を抑え気味で、オリジナルよりも切なさが伝わってくる印象。歌詞からすると、むしろこっちの方が解釈的に正しいような気がします。それにしても彼ら、生まれる前の曲なんですよね。名曲は世代を超えるということでしょうか。

 あと、「たす+たす」でショウさんがエレクトリックトランペットの演奏中、途中で投げ捨てても音が止まらないというネタが面白かった。いやー、エレクトリックリコーダーも怪しいと思ってたんですよ。出てく音がサックスだし(笑)。

 個人的には大好きな「ヘッドホンガール」を演らなかったのが残念だったけど、代わりに「たびたびアバンチュール」が聴けて良かったです。スイーツ氏がセーラー服姿だったことについては特にコメントありません(笑)。

モルヒネ東京

 2番目に演奏したモルヒネ東京については、ボーカルのユケことナカヤマユキコがふぇのたすのニコ生に出ていたので、事前に結構情報を仕入れておりました。椎名林檎、というか東京事変的テイストを取り込んだサウンドは、いわゆるシャレオツ系。ニコ生でダイブ宣言していたのでそれも楽しみにしていました。

 そしてステージに立ったユケがカッコイイ!! いや、エロカッコイイって言った方が正確かな。たくさんのバラが描かれたワンピースは年齢以上に大人って感じでした。直前のみこたすがベビーフェイスだから、余計にそう感じたのかもしれません。

 でもそんなことより、サウンドがかなりイイ!! ユケの特徴的な声も好きだし、キレのあるギターサウンドもいい感じ。代表曲の「トウキョウナイト」、最新ナンバーの「ループする」など、ちょっと乱暴なくらいの歌い方がしっくりハマってます。総合的にはふぇのたすの方が好きだけど、音の感じとかはこっちの方がもともとの好みに近いかも。ダイブもしっかり披露してくれて、実に素晴らしいライブでした。帰りにCD買い損なったの失敗したな。またライブ行こうと思います。

ぽわん

 トリを務めたのは、当然ながら主催のぽわんです。ふぇのたすとモルヒネで体力を使い切ってしまい、この時間帯は惰性で迎えていました。セーラー服バンドということで、ちょっと舐めていたところも正直あります。でもそれは完全に間違いでした。

 ぽわん、かなりヤバイです。見た目に反して相当な破壊力じゃないですか。ボーカルのヨシヤマモエ、何なのこの説得力のある声質。サウンドも予想外に重厚だし。「かわいいっていわないと呪う」という曲には完全に玉砕されました。ふぇのたすに「かわいいだけじゃダメみたい」って曲があるけど、もう基準が違うよね。そう言えば山崎ハコに「呪い」って曲あったなって誰もしらないか。

 それと盛り上がってた曲が「処女なわけない」。新垣結衣とかね、長澤まさみとかね、みんなそうよね、うん。ユケもみこたすも餌食になってました。これさすがにCD化は難しそうだけど、筋肉少女帯がドリフの事務所を説得して高木ブー伝説を発売した例もあるし、頑張ってほしいです(笑)。

というわけで

 文字ばかりで雰囲気伝わりづらいですが、billborad JAPANに写真入りの記事が出ているので、気になる人はそちらをば。

 それから先ほど緊急ニュースが入って来ました。なんと5月14日に2ndミニアルバム「胸キュン’14」が発売になるとのこと。このベタなタイトル、ふぇのたすだから許されます(笑)。6月13日のワンマンではぜひ教授をゲストに呼んで「君に、胸キュン。」を歌ってほしいところです。

 さらに7月公開予定の加藤綾佳監督による映画「おんなのこきらい」は、ふぇのたすの世界観にインスパイアされた作品で、ふぇのたすの曲もたくさん使われるのだとか。こちらも要チェックです!

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01. すしですし
02. たびたびアバンチュール
03. 有名少女
04. おばけになっても
05. もどかしぃテレパシィ
06. チーズケーキ コンプリーション
07. ありがたす

apriori records
2014.05.14 on Sale

マグロの解体ショーに行ってきた。
MusicLive Reports

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 最近ハマっている音楽ユニットのひとつが水曜日のカンパネラ3月1日の「オトトイの地下室」では、鹿の解体ショーで度肝を抜かれてきました。そしてわずか2週間後の3月16日。今度はマグロを解体する「ザ・ジャパニーズカイタイショー!」に参戦。まぁ鹿と違ってそんなに珍しいものではないけれど、今まで生で見たことなかったし、鹿のときと違って捌いたマグロがその場で振る舞われるということで、結構楽しみにして行ってきたのでした。ちなみに今回のメンツは、ふぇのたすのライブで知り合った高校生、妻、自分の3人。どうしてこうなったのか全く謎です(笑)。

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 会場は代官山「晴れたら空に豆まいて」。マグロの解体ショーをおしゃれタウン代官山で見るというミスマッチが素敵です。だいたい、この「晴れたら空に豆まいて」っていうネーミングセンスがおしゃれ過ぎますよね。青山の「月見る君想フ」も同じグループの経営ということで、妙に納得です。

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 12:30の開場と同時に入ったこともあり、席は最前列を確保できました。そう、ライブというとオールスタンディングのイメージがありますが、今回はランチイベントということでテーブル席になっていたのです。でもお客さんの入りはイマイチ? 関係者を除いたら20人くらいなのではないでしょうか。しかも年齢層かなり高め! どうやら大半がマグロ狙いで、水曜日のカンパネラ目当ての人は少ないみたいです。ちなみに朝食を抜いてきた自分は空腹を我慢できず、メニューにあったタコライスを食べてしまいました。いやぁビールに合って美味しかったです。

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水曜日のカンパネラ

 ちょうどタコライスを食べ終わったころ、水曜日のカンパネラの演目スタート。丸テーブルで席に座ってステージを見ていると、さながらディナーショーのような雰囲気です。実際ランチショーなんですけどね。「マリー・アントワネット」の間奏のときに「おかしをたべればいいじゃない」と書いてあるスケッチブックを見せるのがお約束なんだけれど、即興で「まぐろ」に書き換えたのもまたお約束どおりという感じで微笑ましかったです。しかも「これもう使えないからあげる」と言ってその紙を破り、何と僕にくれたのでした! しかも転換のタイミングでサインまで貰っちゃって、これは家宝にするしかありません。

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NAMIKIRI,C

 次に出てきたのは「NAMIKIRI,C」。もしかして堅気の人じゃないんじゃないかという強面の男が、マグロ漁をテーマにしたラップっぽい曲を披露してくれました。この調子で何曲も続いたらかなり困る感じだったのですが、無事1曲で終了してやれやれといった感じ。気になる方はこの動画をどうぞ!

鮪匠

 続いていよいよ本日のメインイベント、マグロの解体ショー。それまでの物々しい感じとは打って変わって「鮪!海!猟師!」っていう雰囲気です。そしてこのイベントの主催者と思われる鮪匠(まぐろのたくみ)の二人が登場。15kgの鮪(メバチかな?)を前にニコニコ笑っているのは・・・さっきのNAMIKIRI,Cじゃないですか。大将、こっちのほうが似合ってるよ! って当たり前か。

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 鹿のときとは違って、残念ながらコムアイちゃんは後ろで見ているだけ。鮪匠の二人が、気持ちのいいテンポで捌いていきます。途中でコムアイちゃん試食してたけどね。かわゆす! そんなこんな言ってるうちに、さすがの手際の良さで解体はあっという間に完了。わきに控えている職人たちの手に渡り、マグロ丼に変身していきました。ちなみにですね、この場にいたのはスタッフを含めても30人程度なわけです。15kgのマグロをその人数で分けたらどうなるか。。。もう大変なことになりました!

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 はい、ほとんどご飯が見えていません。お味の方も、さすがに新鮮なだけあって大満足でした。この後もカマトロとか中トロとかどんどん出て来たのですが、お腹いっぱいで食べきれなくて残念。大将が「採算度外視! 採算度外視!」って100万回くらい叫んでたけど、これ完全に赤字なんだろうな。上手に宣伝すれば、もっとお客さん入ったと思うんだけど。とりあえず今回来た人はラッキーでした。

 ところで転換の際にコムアイちゃんと少しお話をしたのですが、3月19日予定のツーマンライブ「水曜日の視聴覚室」に思いっきり誘われました。平日開催なので見送ろうと思ってたのですが。。。本人に直接誘われたら、行くしかありませんよね! というわけで次回ライブレポに続きます(笑)。

奥さん、鹿の解体ショーですよ。
MusicLive Reports

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 3月1日。行ってきました。鹿の解体ショー。

 昨年12月に行ったMUSHIFEST2013で、ふぇのたすに加えてもう一つ注目した音楽ユニット、「水曜のカンパネラ」。ボーカルのコムアイがぶっ飛んだキャラクターで、客にいきなり正座を強要するなど常識はずれのパフォーマンス。今回のライブイベント「オトトイの地下室」では、彼女がライフワークにしている“鹿の解体”を披露するということで、楽しみに参加してきました。

 会場は新宿LOFT。土曜日の16時というちょっと微妙なスタート時間。このライブのメインイベントは鹿の解体ショーに違いないのですが、実はゲストアーティストも出まくりなので、早目の時間にスタートということなのでしょう。

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 最初に登場したのは「水曜のカンパネラ」。トリじゃなくてオープニングを務めるというのは、ゲストの大御所に配慮したものと思われます。一応3人構成のユニットみたいなのですが、前回同様ステージに上がったのはコムアイちゃんだけ。残りのメンバーは表には出ない方針のようです。代表曲の「マリー・アントワネット」、園子温監督の映画「恋の罪」を題材にした「ミツコ」、キン肉マンの恋人「マリしゃん」を歌った「二階堂マリ」などを熱唱・・・いや、熱唱という感じじゃないんですけどね、とにかく歌ってました。

 それにしても、園子温の「恋の罪」を題材にするってすごいです。東電OL事件を描いたあの映画。歌詞に出てくる「魔女っ子クラブ」の意味、みんな分かって聴いてるのかな。「二階堂マリ」は、キン肉マンの登場キャラクターの名前を言い続けて最後は「解説はアデランスの中野さん!」で締めるという謎の歌詞。サザエさんの登場人物をひたすら叫び続ける空手バカボンの名曲、「家族の肖像」を思い出してしまいました。

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 水曜のカンパネラが終わって、次に出てきたバンドが「NATURE DANGER GANG」。まったくのノーマークだったんだけど、このバンドがヤバかった。最初に和服姿の男が出てきて、落語(?)みたいな口調でひたすらシモネタを喋り続ける。それが終わると残りのメンバーが入ってきて、なぜか曲はバトルフィーバーの主題歌。何この選曲。ゴレンジャーならともかく、バトルフィーバーは知らないでしょ普通!w

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 その後の盛り上がりは異常で、メンバーは客席に降りて客のズボン脱がすし、フロアにいた女の子はステージに上って服脱いでスクール水着で踊り出すし、セーラー服着て歌ってたロリっぽい女の子は途中で服を脱いで亀甲縛り姿を披露するしで、もう大変でした(その子が投げたスカートが僕のところに飛んできたのはここだけの秘密です)。でもそれだけじゃ収まらなくて、パンツまで脱いじゃって全裸でフロアを這いずりまわるメンバーがいたり、さっきの女の子はブラを外しておっぱい丸出しになったりと、完全にカオス状態。いやー、面白かったです。戦場のメリークリスマスがずっと脳内リピートしております。ちなみにステージが終わった後、さっきの女の子(ユキちゃんというそうです)がセーラー服の上から亀甲縛りをして現れたので、二人で記念写真を撮らせていただきました!(ここには貼らないけど)

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 そして本日のメインイベント、鹿の解体ショー(この先はグロ注意系の写真があるので心臓の弱い方は閲覧ご遠慮くださいね)。幕が上がると、鹿の屍を挟んで左右にコムアイちゃんとイケメン男子が登場。この方は佐野さんといって、鹿の解体のお師匠さんみたいです。二人が協力しながら、鹿を捌く捌く! コムアイちゃん、プロの指導を受けながらとは言えその手際のよさは素人の仕事ではありません。昨日山梨で獲れたばかりの雄鹿が、あっという間に骨と肉と皮になってしまいました。

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 解体が終わった後は、日刊SPA記者の織田曜一郎氏を交えてトークショー。鹿の解体をエンターテイメントにすることの是非などについて語っていたのですが、聞いて驚いたのが鹿の害獣問題。野生の鹿が増えすぎて林や農作物を荒らしてしまうため、自治体は猟師にお金を払って個体数調整をしてる状況なのだとか。そして、「不自然に太らせた家畜を食べるよりも、増えすぎた野生の鹿を美味しくいただくのは良いことなのでは?」というのがコムアイちゃんの考え方なんだそうです。このへんの話は、織田氏のこの記事に詳しいので興味のある方はご一読を。

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 ただ残念だったのは、食品衛生法などの関係で、ここで捌いた鹿さんは食べられないという事実。会場では鹿肉丼や鹿肉カレーが販売されてましたが、これは全く別の肉ということでした。ちなみに鹿肉カレー食べましたが、お世辞抜きでメッチャ美味しかったです!!

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 トークショーの次に出てきたのは、下ネタのナポレオン「クリトリック・リス」。パンツ一丁で出てきた彼は、田中角栄と外山恒一を足しで2で割ったような印象。見た目はふざけてるけど、「バンドマンの女」とかかなり切ない歌詞で、笑いながらも結構しんみり聴いてしまいました。スキンヘッドで鍵盤を弾くこの写真からは想像できないですけどね。

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 そして最後を締めたのはZAZEN BOYSの向井秀徳。この人を呼べるというのが水曜日のカンパネラの凄いところ。今回、僕には期待していたほどは刺さらなかったけど、周りを見るとみんなかなり満足気な感じでした。雰囲気がさだまさしっぽく感じたのは僕だけかな。アンコールで松任谷由実の「守ってあげたい」を歌ったのはちょっと驚きましたが。

 そんなこんなで、全ステージが終わったのは22:30。ここに書いたのはメインのライブホールの内容だけですが、実はバーホールの方でも園芸や落語などが展開されていて、超盛りだくさんのイベントでした。これだけの内容で3,000円はかなり安いと思います。目の前で解体した鹿肉を食べられなかったのは残念でしたが、実は2週間後に水曜日のカンパネラ主催の「マグロの解体ショー」を観に行く予定で、こちらはその場で食べられるとのこと。シカがNGでマグロがOKという日本の法律も謎ですが。

「ゆふぃたすお楽しみ会@バレンタインデー」に行ってきた。
MusicLive Reports

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 関東甲信越一帯が記録的な大雪を記録した2月14日。学芸大メイプルハウスで開催された「ゆふぃたすお楽しみ会@バレンタインデー」に行ってきました。はっきり言って、このタイトルだけでは何のことだかさっぱり分かりませんね。お楽しみ会っていうくらいだから、子ども向けのイベント?? でもそんなイベントに僕が行くはずもないわけで。その実態は、“ゆっふぃー”こと寺嶋由芙ふぇのたすのツーマンライブなのでした。

 ふぇのたすについてはこのブログでも何度か書いているのでそちらを見ていただくとして、寺嶋由芙とは何者なのか。もともとBiSというアイドルグループ(という枠にはまらない過激な活動ぶりが特徴で、先日もこんなニュースが物議を醸したばかりですが)出身で、昨年の脱退後はソロ活動を開始したアイドルみたいです。ふぇのたすのギタリスト山本奨が彼女に楽曲を提供しているのが縁で、このツーマンライブが実現したとのこと。早稲田大学在学中の4年生ということで、ちょっとだけ親近感を持っているのも事実であります。

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 というわけで、お楽しみ会@バレンタインデー当日。雪で電車が遅れるなど諸々アクシデントがあり、メイプルハウスに着いたのは開演10分前でした。初めての会場で戸惑いつつも地下に降りると、見覚えのある顔に遭遇して一安心。2週間前に「スナックみこ」で知り合いになってツイッターでも相互フォローしているお友達でした。スナックみこについてはまた別の機会に書くとして、好きなアーティストのライブで仲間に会えるというのは嬉しいことです。結局この日は4人のフォロワーさんに会いました。大箱を埋めるメジャーアーティストのライブでは、なかなかこうはいきません。

 開演前、ドリンクを買いに行く途中で物販コーナーに目を向けると、ふぇのたすボーカルのミコちゃんの姿が。そして目が合うやいなや「西さーん!」と声をかけてくれて、感激のあまり涙チョチョ切れそうになりました。顔と名前を覚えてくれてるとは、さすがスナックのママ! というのは冗談ですが、これはファン心の琴線に触れますよね。大箱を埋めるメジャーアーティストのライブでは、なかなかこうはいきません(笑)。その数分後、気がついたら「ゆふぃたすコラボTシャツ(3,000円也)」を購入しておりました^^; このエントリー最初の写真は、Tシャツに付いてきたチェキです!

 そんなこんなで財布もすっかり軽くなったところで、いよいよライブ会場へ移動。お客さんは50人くらいかな? 結構小さめの箱です。先にステージに上ったのは寺嶋由芙さんでした。アイドルのライブを業界用語で「現場」というらしいのですが、実際に来たのは今回が初めて。そしてその熱気に圧倒されてしまいました。寺嶋由芙の一挙一動に反応して「ゆっふぃー!!」コールが炸裂しまくり。そんな状況にも一切動じることなく、ニコニコとファンとの交流を楽しみながら(操りながら!?)歌うゆっふぃーの姿に、プロフェッショナルを感じました。

 寺嶋由芙のステージが終わると、次はお楽しみイベント。何をやるのかと思ったら、なんとゆるキャラを当てるクイズでした。寺嶋さん、ゆるキャラがかなりお好きみたいで、彼女がスケッチブックに描いたゆるキャラを、ふぇのたすの3人が当てるという謎のコーナー。巣鴨の「スガモン」や柏のワニで「かしわに」は良いとして、香川の「うどん脳」って緩すぎだよホントにwww

 うどん脳を見事正解したミヒキコ氏の優勝でゆるキャラクイズが終わると、いよいよ本日のメイン、ふぇのたすライブ。ふぇのたすは一応バンド形式で、パーカッションとギターはその場で演奏するのですが、全体としては打ち込みの要素が多いのでサウンド的にはCD音源とあまり変わりません。しかししかし、CDとライブでここまで印象の違うアーティストは珍しいのではないかと思います。もちろん良い意味で。

 ボーカルのミコの表情、動き、そして声の使い方。おそらく計算し尽くされてるのだと思いますが、生で見ないと分からない魅力があるのです。基本的に明るいポップな曲が多いのですが、その間は本当に楽しそうに、楽しくてたまらないって感じで歌います。一方、切ない系ナンバーの「ヘッドホンガール」のときは、今にも泣き出すんじゃないかと思うような本当に切ない表情と声で歌い上げるのです。聴いてる方も真剣勝負で、思わず手に汗握ってしまいます。CD音源のテイクも決して悪くはないのですが、ライブと比べると楽に聴ける感じです。

 このステージで演奏したのは全部で8曲。ファンにはお馴染みの曲ばかりだったと思います。「たびたびアバンチュール」だけは音源を持ってないので、個人的には新鮮な感じで聴けました。

 そしてアンコールなのですが、やはりと言うか予想どおりというかゆっふぃーも登場てデュエットと相成りました。1曲目は、やくもみこ名義でカバーもしている「バレンタイン・キッス」。バレンタインの曲と言ったら、もうこれしかありません。ていうか、他に無いのか。四半世紀も前の曲なのにバレンタインのが来るたびに使われて、そのたびに秋元康にチャリンチャリン入っていく仕組みです。おニャン子クラブ出身者で今なお売れてるのって国生さゆりくらいだけど、この曲の力が一番大きいのではないでしょうか。誰か、そろそろこれに替わるバレンタインソング作ってください。クリスマスソングなんかより、よっぽど競争率低いと思うんですけどね。

 アンコール2曲目もバレンタインつながりで、「チョコレイト・ディスコ」。そうか、この曲もバレンタインソングなのか。Perfumeの曲って歌詞を意識したことあまりなかったので気づきませんでした。この曲は、ミコちゃんよりもゆっふぃーの方が雰囲気が合ってたような気がします。ていうか、かしゆかに少し似てるかも?

 そして最後は「おばけになっても」で締めて終了。とにかく何というか、観客も含めてみんないい人ばっかりで、純粋に楽しみに来ているライブという印象でした。きっと相当綿密な計算の上に構成されたステージなんだろうけど、肩に全く力が入ってないように見えるふぇのたすの3人とゆっふぃー。かわいいチョコレートももらったし、雪の中「現場」に行った甲斐がありました☆

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2014.2.14 ゆふぃたすお楽しみ会@バレンタインデー
ふぇのたす セットリスト
1.たす+たす
2.ラッキースケベ
3.スピーカーボーイ
4.すしですし
5.ヘッドホンガール
6.たびたびアバンチュール
7.東京おしゃれタウン
8.ありがたす
アンコール(with ゆっふぃー)
1.バレンタイン・キッス(カバー)
2.チョコレイト・ディスコ
3.おばけになっても

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ふぇのたすオフィシャルWebサイトより

『じゃじゃーん!ふぇのたすとどきどき♡クリスマスイブ』に行ってきた。
MusicLive Reports

ふぇのたす

じゃじゃーん! 行ってきました。2013年12月24日、クリスマスイブ。夜。渋谷。円山町。やるとこはひとつ(笑)。

というわけで、渋谷O-nestで行われた「じゃじゃーん!ふぇのたすとどきどき♡クリスマスイブ」に出掛けてまいりました。14日に足を運んだMUSHIFEST 2013で、たまたまこの「ふぇのたす」を目にして虜になり、気が付いたらローチケでチケットを購入していたわけです。

ここで「ふぇのたす」について簡単に説明しておくと、2012年の夏に結成された3人編成の“音楽グループ”。メンバーはボーカルのみこと、全作詞・作曲を手がけるギター兼シンセのヤマモトショウ、デジタルパーカッションの澤“sweets”ミキヒコ。当初はもう1人いたみたいだけど、その辺の事情はよく知りません。音楽のジャンルとしてはエレクトロポップと言うのでしょうか。初めて聴いたときの印象はその動きを含めて、きゃりーぱみゅぱみゅとモダンチョキチョキズを足しで2で割った感じ。いま聴いてみるとそうでもないかな? とりあえずこの「スピーカーボーイ」のMVを見てください。ボーカルのミコがカワイイ上に楽曲もメロディがキャッチーで、多大な中毒性を孕んでいるのが分かると思います。

まぁとにかく一度目にして以来完全にハマってしまい、SoundCloudに上がった曲をスーパーヘビーローテーションで聴きまくる毎日。初見からわずか10日後に初ワンマンライブが開催され、そこに立ち会うことができたというのは、幸運と言うよりほかないでしょう。

さきほどボーカルのみこがカワイイと書きましたが、見た目がカワイイとだけじゃなくて、声と振る舞いがさらにカワイイんです。上のMVを見るだけでも、その声のかわいさは伝わってくると思います。でも、振る舞いのかわいさはライブじゃないと分からないかも!?

表情の付け方と身のこなし、それから声の使い方に至るまで、どうすればオーディエンスが喜ぶか、かわいく見えるかを計算してやってると思います。でも嫌味が全然ない。そういう意味では既にプロですね。意識してか無意識にかは分かりませんが、21という若さですごい。

とは言えかわいいだけじゃだめということで、楽曲の方もなかなか名曲揃いです。演奏自体は打ち込みと生演奏のミックスとなっていて、自分的には物足りない部分もあるのですが、それを補ってなお余りあるクオリティの高さ。これはひとえに、全作詞・作曲を手がけるヤマモトショウの力によるものでしょう。この日も演奏した「すしですし」あたりは、一度聴くと耳に残る上に、覚えやすい歌詞と歌いやすいメロディ。思いっきりカラオケ向きです。どこかの回転寿司チェーンのCMソングに良いと思うんですけどね(笑)。

でも、このライブで個人的に一番良かったのは「ヘッドホンガール」。ポップで明るいナンバーが目白押しのふぇのたすにおいて、せつない女心を歌った貴重な一曲です。泣きそうな表情を見せながら歌い上げるみこの姿にはグッと来ました。デジタルパーカッションのミキヒコがライブで初めて叩いたドラムの効果も大きかったかも。

そんな感じで最高に楽しんで帰ってきましたが、メンバーの3人も初のワンマンライブの楽しさを噛み締めている印象でした。こういった音楽グループは星の数ほどあって、その中で売れるのはほんの一握りなんだろうけど、ふぇのたすには何としても売れてほしい! というか、売れる条件は揃ってると思います。サウンド的にも時代に合ってるし、あとは売り出し方と運次第かなぁ。みこが「いつかは武道館で」的なことを言っていたけど、ひょっとすると何年後かの大晦日に「ふぇのたす(初)」があるかも!?とここに予言しておきます(笑)。 

※トップの写真はふぇのたす公式サイトより

個人的にヤバかったMUSHIFEST 2013
MusicLive Reports

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12月14日の土曜日、Shibuya CYCLONEとGARRET Udagawaで行われたライブイベント「MUSHIFEST 2013」に行ってきました。2つの会場をつないで計10バンドがステージを繰り広げたこのイベント。友人の津倉悠槙さんが「蟲ふるう夜に」というバンドをプロデュースしていて、その結成6周年記念で開かれたもの。ちょうど予定が空いていたので、tixeeでオンラインチケット購入して渋谷へ向かったわけです。

それぞれ「光ステージ」「闇ステージ」と銘打たれた2つの会場を行き来できるというのは面白い企画だなと思いつつ、どういう仕組みなのか謎だったんですが、現地へ行ってみて納得。同じビルの地下1階と地下2階で両ライブハウスが繋がってるんですね。ちなみ地下1階のGARRETは、今年6月に惜しまれつつも経営難でクローズした渋谷屋根裏の跡地にオープンしたみたいです。屋根裏には行ったことないけど、聖地だったってことはよく存じ上げております、ハイ。

で、開演10分前にフロアへ降り立ったんですが、そこで目にしたのはセーラー服姿で飛び回る謎の男。何者?? バンドのライブなのに前座でお笑い芸人のパフォーマンス?? と思ったら、DJの西村ひよこちゃんでした。きゃりーぱみゅぱみゅのサポートもしててその筋では有名人らしく、DJの枠を超えたテンションでクレイジーな動きを披露してました。素敵☆

そもそも今回は光ステージのトップバッターかつ闇ステージのトリを務める「蟲ふるう夜に」が目当てであり、他の出場バンドについては全く下調べしてませんでした。そんな中、参加バンド一覧を見ていて気になったのが「水曜日のカンパネラ」。その一覧には何も説明がないので、単にバンド名からの直感なんだけれど、その直感は図らずも的中したのでした。

アオザイ姿でステージに現れた一人の女性。棒読みの歌唱とラップ風の謎の語り。「お菓子を食べればいいじゃない!」と叫びながらお菓子を節分の豆まきよろしく投げ込んだり、そうかと思えば観客全員に正座を強要しつつミニチュアのちゃぶ台を手にフロアに降り立ち、「ちゃぶ台返しー!」の声とともにちゃぶ台返しをさせたり。。ちなみに後者の曲名は「星一徹」。完全に普通じゃない。眼なんか完全にイッちゃってるし。雰囲気的には、曲がれスプーンの長澤まさみを100倍天然にした感じ。声と喋り方は似てると思います。

歌唱力は二の次、というか全然売りにしてない感じなのだけど、その独特なセンスとキャラクターは、類稀な才能を感じさせます。ボーカル(といっても一人ユニットみたいですが)のコムアイさん、数年後には演劇とか映画とか、音楽とは別のフィールドで活躍しているものと想像します。とりあえず今は習得中の鹿の解体を頑張っていただきつつ、その才能を開花させてほしいと願ってやみません。

そしてもうひとつ、今回の収穫だったのが女性ボーカルの3ピースバンド「ふぇのたす」。途中から見たのですが、会場に入った瞬間に釘付け! 往年のモダンチョキチョキズを彷彿とさせる振り付けと、きゃりーぱみゅぱみゅばりの可愛さ、でも一番の魅力はボーカルのみこの声かなー。楽曲も素晴らしい!

「おばけになっても」とか可愛すぎます。♪ふわふわふわふわって脳内リフレインがヤバイです。なんかの記事に書いてあったけど、中毒性ありまくりです。売り方次第では2014年のブレイクも十分あり得ると思います。ていうか、ブレイクしてほしい!

イベントの最後は、蟲ふるう夜にで締めくくり。ボーカルの蟻さんが感無量のあまり涙ぐんでいたのが印象的でした。個人的には「明星」が気に入ったのですが、Youtubeには上がってないようですね。そういえば1月1日発売予定の新曲の告知Vも流れておりました。

閉演後は、プロデューサーの津倉さんの計らいで、中打ち上げにも参加させていただきました。こういう場に参加する機会は少ないので貴重でした。蟲ふるう夜に関係者の皆さん、6周年おめでとうございます!

そんなわけで、いろいろ書きましたが、ふぇのたすのみこの可愛い声にやられたというのが総合的な感想でございます。12月24日(クリスマスイブ!)に初ワンマンライブが行われるらしいので、何とか調整して行こうかとか画策中。ていうか行きます。でも仕事終わるかな。。

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