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いやぁ、映画って本当に素晴らしいものですね!と、今は亡き水野晴郎の決め台詞を思わず呟いてしまうほどの良作でした。『ゼロ・グラビティ』、誰が何と言おうと(悪く言う人はあまりいないだろうけど)、絶対に観るべき映画です。DVDが出たら、なんて悠長なことを言っている場合ではありません。劇場で、それも3D上映館で見ないと許しません。3Dはちょっと高いけど、それだけの価値がある作品です。断言します。何なら差額の返金保証しても良いです。ただし振込手数料840円はご負担くださいね。

閑話休題。私は映画を観るとき、基本的にあまり予備知識を仕入れないようにしています。先入観を持って観ると純粋に楽しめない気がして、なるべくフラットなスタンスで劇場に向かいます。まぁこれは映画に限ったことではなくて、あらゆる公演や作品展、それから旅行なんかにも言えることなのですが。それで実際に行って気に入った場合は、帰ってからさんざんネットで調べます。最近は帰る間もなくiPhoneで調べちゃいますけども。

そんなわけでこのゼロ・グラビティも、スクリーンでその姿を見るまでは主演がサンドラ・ブロックだということすら知らない状態でした(←知らなすぎ!?)。それでも一つだけ重要な情報を仕入れてまして、それはこの作品が3D映画として極めて秀逸だということ。3D映画というと、劇場によって方式が何種類か分かれているのですが、「やっぱりIMAXが最高だよね」的な声が方々から聞こえてきます。3Dの方式別の特徴については、やや古いですがこのブログ記事に詳しいです。

『アバター』3D全方式完全制覇レビュー:It's a ...
http://itsa.blog.so-net.ne.jp/2010-01-15

都内でIMAXというと、やっぱり新宿タカシマヤでしょうと思って調べてみたら大間違い。そんなものはとっくのとうに無くなっていて、今では109シネマズ木場と、ユナイテッド・シネマとしまえんの2箇所のみなんだそうです。自宅からは豊島園のほうが近いのですが、今回は他にも用事があったので深川ギャザリアに入っている109シネマズ木場のほうに行ってきました。

随分と前置きが長くなりましたが、このゼロ・グラビティ。座席の位置取りに失敗してスクリーンが近すぎた上に、左右をビール臭い男とヤニ臭い男に挟まれて厳しい環境ではありましたが、そんなことを忘れてしまうほど素晴らしい体験でした。宇宙空間には上下の区別が無いって頭では分かっていたけど、その感覚を3D映像が見事に再現してくれます。そして無重力の宇宙空間で、猛烈なGを感じるシーンの数々。あれだけ体を打ちつけられたら全身アザだらけのはずですが、“胎児のシーン”で見ると結構キレイでしたね。そんなものでしょうか(笑)。

それにしても、この映画で感じさせられたのが、宇宙空間の絶望的なまでの孤独感!! サンドラ・ブロック演じるライアン博士、映画中盤以降はひたすら孤独との戦いです。そして24-TWENTY FOUR-ばりの緊迫した瞬間の連続。死と向かい合うというのはこういうことかと。手に汗握るというのは使い古された言葉ですが、いやホント自分も死ぬんじゃないかと思うくらい息が詰まる展開でした。落ち着いて見られたのは胎児のシーンと、あとはあの再会のシーンくらいでしょうか(←すっかり騙されたクチです^^;)。

率直な感想として、3Dの効果を120%引き出した、極めて密度の高い91分でした。奇蹟を信じ孤独と絶望に立ち向かう姿を演じきったサンドラも見事の一言。脳天気ながら頼りになる相棒マットを演じたジョージ・クルーニーも対照的で良かったです。冒頭でも書きましたが、未見の方はぜひ3Dのスクリーンで観ていただきたい。間違って2Dで観ちゃったよ!って方には、公開中に改めて劇場へ足を運ぶことを推奨します。ちなみに木場のIMAXに行く方は、なるべく後ろの席がお薦めです。

最後に、本編を観た人だけが意味のわかるスピンアウトムービーをご紹介。ネタバレは無いに等しいので、先にこれを見てから劇場に足を運ぶのも意外と良いかもしれません。


ゼロ・グラビティ
http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/

トップの画像はゼロ・グラビティ公式サイトより

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