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昨日の予告どおり、「風俗行ったら人生変わったwww」を観てきました。この作品はあの電車男と同じパターンで、2ちゃんの書き込みが話題となって書籍化され、ついに映画化されたもの。僕も2年くらい前にネットで見て大感激したクチなので、これは観に行くしかないと馳せ参じたわけです。

何しろテーマがテーマなので、電車男と違ってテレビドラマ化される可能性は低いと思われるこの作品。ヒロインのかよ役が華の大根役者・佐々木希ということで一抹の不安がよぎったけれど、同じく大根の伊東美咲が電車男ドラマ版のエルメス役を持ち味活かしまりで演じ切っていたことを思い出し、この配役もありかと言い聞かせつつ劇場に乗り込みました。

今回の上映館は、歌舞伎町の新宿ミラノ。昨日のサンシャインシネマ池袋にも負けないくらい昭和の雰囲気でしたが、スクリーンはそれなりに大きいしシートはフカフカだしで、印象はそんなに悪くない感じ。

ちなみにこの作品は公開と同時にネット配信も始まってて、iTunesとかで500円でレンタル可能。劇場は全国一律1,000円の設定で、関係者の頑張りが伝わってきます。映画としては安いとはいえ、ネットの倍も取られる劇場にわざわざ足を運ぶ人ってどんな客層だろうと思って見渡すと、女の子同士やカップルの客が意外と多かったです。何なんだこの女子率。風俗ネタの映画なのに。

ネタバレするつもりは無いので、詳しい話は避けるけど、この「風俗行ったら人生変わったwww」というタイトルは当然ながら釣りです。もちろん完全に嘘というわけではなくて、電車男の主役「電車」の生き写しみたいなコミュ症童貞男・遼太郎が、美人すぎる風俗嬢・かよとの出会いと交流を経て力強く成長していく感動の物語。特に後半は冒険活劇的要素も加わって、江戸川乱歩の「孤島の鬼」や原田宗典の「スメル男」を彷彿とさせる一大スペクタクルなわけなのです。あ、これ原作の話ね。

そんなわけで期待に胸を膨らませて鑑賞を開始。まずは主演の遼太郎役の満島真之介、小心キモオタの演技が素晴らしく合格点。佐々木希も、陰のある(でもそれを見せない)風俗嬢を十分に演じていたのではないでしょうか。合格点。全体的な演出も、ちょっとペースが遅い感じはしたものの、遼太郎とかよの心の変化をうまく表現できていたと思います。元彼を懲らしめるシーンは原作を超える破天荒ぶりでしたが、これはこれで面白かった。そう、ここまでは面白かった。。

問題は、松坂桃李演じる「晋作君」の登場以降。もう、原作が台無し! 台無し台無し台無し!!!

いや、台無しというか、もういきなりの完全オリジナル脚本。そもそもこの作品、電車男と同じく(真偽のほどは置いといて)ほぼ実話とされているストーリーに価値があるのに、これやられちゃうと作品まるごと嘘っぽく見えちゃうよね。前半は悪くないだけに残念極まりない。

百歩譲って、作り話でも面白くなってればいいんだけど、これが完全に理解不能の迷走脚本。原作では、キレキレ頭脳派の晋作君と神懸かり的に根性座った遼太郎のコンビが綿密に計算し尽くされた作戦のもとラスボスを倒しに行くのに、何なんでしょうあの展開は。最後のジャンプはスピードへのオマージュでしょうか。全く理解できません。

原作の晋作君、本当に頼りになる男だったのになぁ。この映画じゃ、単なる常識知らずのお馬鹿さんじゃないですか。キャスティングは悪くなかったと思うんだけどね。いや本当に残念。ストーリーに厚みを持たせた「あおい」との夜も省略されてるし、話になりません。

ハマり役の佐々木希が好演してるだけに、実に惜しい。原作を読んでない人は、こちらで読めるのでどうぞ。素晴らしいの一言です。どうしても映画でも観たい人は、松坂桃李がビール持って現れたところで席を立つことをお勧めします。

あ、でも最後の最後のピザーラのオチは少しほっこりしました^^

風俗行ったら人生変わったwww
http://fzk-movie.jp/

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